私たちが生まれたときから慣れ親しんでいる、日本語。何十年も使ってきているはずなのに、実はまだまだ知らないことって多いですよね。テレビ放送しているクイズ番組でも、日本語の使い方や漢字の問題を間違える人も多く、その複雑さは世界でもトップレベルと言われています。苗字と名字の違いなど、ひっかけ問題になるようなものもまだまだあります。そんな今日は、使い分けが難しい日本語の濁音「ず」と「づ」について、徹底解説していきたいと思います!
いくつ分かる?「ず」と「づ」の使い分け
1. つまずく or つまづく
この場合は、「つまずく」が正解です。実は、つまずく つまづくという言葉の語源は「爪突く」といわれています。「突く(つく)」なので本来は「つまづく」が正しいとされるはずなのなのですが、現代では「爪突く」とは表記せず、「躓く」という漢字が存在しているので、ひらがな表記も「つまずく」になったのだそう。
2. いなずま or いなづま
この場合は、意外にも「いなずま」が正解なんです!いなずまは「稲妻」と表記するので、当然「つま」に濁点がついて「いなづま」が正しいと思いますよね。しかし、のちほど詳しく解説しますが、2語に分解できない単語は「ず」にするというルールがあるのだそう!たとえば、「新妻」は「新しい」と「妻」の2語に分けることができるので、「にいづま」が正解。しかし、稲妻の場合は「稲」と「妻」に分けると意味が通らなくなってしまうので、「ず」が使われるのだそうですよ。学校でも習いませんし、ややこしいですよね!
3. したつずみ or したつづみ
この場合は、「したつづみ」が正解です。「舌鼓」と表記した際、「鼓」は「つづみ」と読むので、そのまま「づ」が用いられます。
4. みかずき or みかづき
この場合も、「みかづき」が正解になります。漢字表記をするとき「三日月」と書きますので、「月(つき)」にそのまま濁点をつけるかたちですね。
少しずつ or 少しづつ
この場合は、「少しずつ」が正解になります。しかし、古語では「少しづつ」が正解だったんです。昔用いられていた「づつ」の語源は諸説あるものの、一説には「ひとつ、ふたつ」という数を数えるときの「つ」を重ねて表したのではないかといわれています。そして、現代国語としてより分かりやすく表記するように改定され、「ずつ」が用いられるようになったそうですよ。しかし、それも1986年の話だそうで、40代以上の人は「づつ」と習っている人も多いでしょうから、「少しづつ」と表記しても誤りではないのだとか。
使い分けの基準をわかりやすく解説!
では、「ず」と「づ」の使い分けについて、分かりやすい判断基準をまとめてみましょう。
基本的には「づ」を用いない
原則として、「づ」は使わないことが定められています。迷ったら「ず」を優先しておくのが無難なのだそう。
同音が続く場合には例外とする
「ず」もしくは「づ」の前に来るのが「つ」だった場合は、そのまま同じ「つ」を続けて「づ」としてOKだそう。
【例】
- 続く(つづく)
- 常々(つねづね)
- つれづれ
- 綴る(つづる)
「つ」が前に来ているので、わざわざ次を「ず」に変える必要はなく、同音のまま表すのが正解だそうですよ。
2語に分解できない場合は「ず」になる
2つに分解すると意味が通らなくなってしまう熟語には、「ず」を優先して使います。
【例】
- 稲妻(いなずま)
- 杯(さかずき)
- 頷く(うなずく)
- 訪れる(おとずれる)
- 築く(きずく)
まとめ
「ず」と「づ」の使い分けには、いくつかルールもあったのですね。外国語として日本語を学ぶ人や、日本語学科などで歴史的背景まで学ぶ場合には、このような詳しい知識まで網羅するでしょう。しかし、日本で育ってきている私たちにとっては、説明されてもいまいちピンと来ないくらい難解にすら感じますよね。しかし、知っておいて損はない日本語の知識。雑談のネタにもピッタリかもしれません!